
ハイキューの試合で、何人もの選手が一斉にスパイクへ向かうシンクロ攻撃。「全員で跳んでいるけど、誰が打つの?」「日向と影山の変人速攻とは違うの?」と、最初は少し分かりにくいですよね。
シンクロ攻撃は、複数のアタッカーが別々の場所からタイミングを合わせて攻撃に入り、誰にトスが上がるかを相手に絞らせにくくする戦術です。実際にトスを受けて打つのは、そのうちの1人です。
変人速攻が日向と影山の早いコンビプレーを指すのに対し、シンクロ攻撃は複数人で攻める組み立て方を指します。ここでは、動き方と止めにくい理由を図で見ながら整理します。
※アニメ2期の東京合宿で身につける攻撃に触れます。試合の勝敗や、原作終盤の展開には触れません。
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シンクロ攻撃とは?別々の場所から、同じタイミングで攻める戦術
シンクロ攻撃は、作中で「同時多発位置差攻撃」とも呼ばれるプレーです。名前は長いですが、複数人が別々の場所から打てるように準備する、と考えるとイメージしやすいです。
レフトから1人、中央から1人、ライトから1人、さらに後ろからも1人。たとえばこの4人が同じタイミングで攻撃に入れば、相手は1人だけを見て守るわけにいきません。

図は、後衛のセッターがネット際でトスを上げる場合の一例です。前衛3人にバックアタックの1人が加わると、攻撃の候補は4人。相手の前衛は3人なので、全員に1人ずつブロックを付けることができません。
もちろん、4人で攻めれば必ず点になるわけではありません。狙いは、相手がブロックを絞ったり、2人でそろえたりする時間を減らすことです。
合わせるのは、トスを見てからではなく、その前の動き
烏野が練習するのは、ファーストテンポのシンクロ攻撃です。ファーストテンポは、セッターがトスを上げる前にアタッカーが助走を始めるタイミングをいいます。
全員がトスの行き先を見てから走り出すのではなく、先に自分の攻撃へ入っておきます。セッターがボールに触るころには、複数のアタッカーが打つ準備を進めているわけです。
「シンクロ」と聞くと、全員がまったく同じ瞬間にジャンプする技に見えますが、踏み切る場所も移動する距離も違います。助走とトスを合わせ、どこからでも攻められる形を作るのがポイントです。
変人速攻との違いは?「2人の速攻」と「複数人の攻撃の組み立て」
変人速攻は、日向が先に跳び、その打点へ影山が正確なトスを届けるコンビプレーです。シンクロ攻撃は、複数のアタッカーを同時に攻撃へ参加させる戦術。前者は2人の速攻、後者はチームでの攻め方です。
| 変人速攻 | シンクロ攻撃 |
|---|---|
| 日向と影山のコンビプレー | 複数のアタッカーで攻める組み立て |
| 日向が先に跳び、影山が合わせる | 複数人がトスより前から攻撃に入る |
| 早いタイミングでブロックを振り切る | 攻撃先を絞らせず、ブロックを分散させる |
日向と影山だけを見れば変人速攻。その周りで、ほかの選手がいつ、どこから攻撃に入るかまで見ると、チーム全体の戦術が分かります。
ただし、変人速攻の早い踏み切りと、ほかのアタッカーのタイミングが合っていなければ、全員が走っただけでは同じ効果になりません。速攻を持っていることと、複数人の攻撃をそろえられることは別なんですね。
変人速攻の新旧の違いや「止まるトス」については、変人速攻とマイナステンポの解説にまとめています。
全員攻撃なのに、6人全員がスパイクしないのはなぜ?
トスを上げる人が必要ですし、リベロには攻撃の制限があるからです。「全員攻撃」は、コートの6人が全員同じようにスパイクする、という意味ではありません。
リベロは、ボール全体がネットの上端より高い位置にあるとき、アタックを完了することができません。後衛の選手も、ボール全体がネットより高い位置で打ち込むなら、アタックラインを踏まず、その後ろから踏み切る必要があります。
そのため、図のような4人攻撃には、前衛のスパイクだけでなく、後衛から入るバックアタックも使います。前にいる選手だけを追っていると、後ろからの攻撃を見落としやすいところです。
一方、セッターというポジションだからスパイクできない、というルールはありません。ほかの選手がトスを上げれば、セッターも打つ側に回れます。烏野の菅原も、シンクロ攻撃でスパイクに参加する選手です。
前衛・後衛の決まりから確認したい場合は、ハイキューのローテーションと前衛・後衛の解説もあわせてどうぞ。
トスが来ない選手も、本気で助走する理由
トスが来る選手だけが打つ準備をしていたら、相手にも攻撃先が分かってしまうからです。
たとえば、中央の選手がゆっくり歩き、レフトだけが勢いよく助走していれば、守る側はレフトを警戒できます。中央にも、後ろにも、本当に打てる選手が入ってくるから、相手はそちらも無視できなくなります。
結果としてトスが来なくても、その助走で相手のブロッカーを引きつけられれば、味方が打ちやすくなります。「おとりになったから何もしていない」ではなく、ボールに触らない動きも攻撃の一部です。
ただ、レシーブで体勢を崩した選手まで、毎回同じように助走へ入れるわけではありません。返ってきたボールや味方の位置によって、セッターが使える攻撃も変わります。人数だけでなく、きちんと打てる準備ができているかも重要になります。
シンクロ攻撃を見返すなら、アニメ2期の10〜11話
烏野の新しい攻撃をまとめて見返すなら、アニメ2期『ハイキュー!! セカンドシーズン』の第10話「歯車」から第11話「“上”」がおすすめです。東京合宿の最終日に、梟谷との練習試合で磨いてきた攻撃を使う流れを追えます。
見るときは、ボールを追うだけでなく、トスが上がる前のアタッカーにも目を向けてみてください。誰が助走に入っているか、後ろから来る選手がいるか。そこが見えると、相手のブロッカーが迷う理由もつかみやすくなります。
シンクロ攻撃は、現実のバレーでも使われる戦術です。アニメだけの必殺技というより、実際の攻撃の仕組みを知るきっかけになるプレーですね。
まとめ:見るところは、打つ1人だけではない
シンクロ攻撃は、複数のアタッカーが別々の場所から攻撃に入り、相手にトスの行き先を絞らせにくくする戦術です。日向と影山の速攻だけでなく、ほかの選手も打てる形を作ることで、攻撃先が増えます。
実際に打った選手の周りで、誰が助走していたかを見ると、「どうしてブロックが1枚になったのか」「なぜあの選手が空いたのか」が分かってきます。次に試合を見るときは、トスが来なかった選手の動きも追ってみると面白いです。