
リードブロックとは、相手セッターがトスを上げた先を確認してから、スパイカーを追って跳ぶブロックです。
『ハイキュー!!』では、月島蛍や黒尾鉄朗が得意とする考えて止めるブロックとして描かれています。一方、特定の速攻へ最初からついて跳ぶのがコミットブロック、相手の行動を予測して先回りするのがゲスブロックです。
名前だけ聞くと似ていますが、違いは「いつ、何を見て動くか」。ここがわかると、月島と天童覚のブロックが正反対に見える理由もすっきりします。
| 種類 | 何を見て跳ぶ? | 特徴 | 代表キャラ |
|---|---|---|---|
| リードブロック | 実際に上がったトス | 選択を確認してから追う | 月島蛍・黒尾鉄朗 |
| コミットブロック | 狙ったスパイカー | トスが上がる前から対応する | 速攻を警戒する場面のMB |
| ゲスブロック | 相手の癖や状況から予測 | 当たれば早いが、外すと穴ができる | 天童覚 |
リードブロックとは?
リードブロックは、相手セッターのトスを見てから移動し、実際に打つスパイカーへブロックを合わせる方法です。
「リード」と聞くと相手の考えを先読みするイメージがありますが、ここでは英語の「read」、つまり見る・読み取るという意味です。勘だけで先に跳ぶのではなく、セッターの手からボールが離れ、トスの方向がわかってから反応します。
- 相手のレシーブとセッターの位置を見る
- 速攻を警戒しながら、セッターがどこへトスを上げるか待つ
- トスの方向を確認する
- スパイカーの助走へ合わせて横へ移動する
- 複数人でブロックの壁を作る
現在のトップレベルでも基本となる考え方です。SVリーグの解説では、基本はリードブロックで対応し、確率の高い場面でコミットブロックを使うと説明されています。
リードブロックのメリット
最大のメリットは、トスが上がった場所へ確実に向かえることです。
相手にはレフト、センター、ライト、バックアタックなど複数の攻撃があります。最初から一人に決めつけず、実際のトスを見てから動けば、誰に上がってもブロックへ参加できます。
- おとりの速攻に簡単につられにくい
- 相手の攻撃先へ複数人で集まりやすい
- ブロックの後ろにいるレシーバーと連携しやすい
- 試合中のデータや相手の癖を生かせる
『ハイキュー!!』で日向が「最強の囮」として相手ブロッカーを引きつける場面があります。リードブロックは、日向の動きだけに反応せず、影山が本当にどこへ上げたかを見て追うための考え方でもあります。
リードブロックの弱点
トスを確認してから動くため、どうしても出発が少し遅くなります。
特に日向と影山の変人速攻のように、トスからスパイクまでが極端に速い攻撃では、見てから移動しても間に合わないことがあります。
また、ブロッカーの横移動が遅かったり、左右の選手と跳ぶタイミングがずれたりすると、壁の間に隙間ができます。リードブロックは落ち着いて見れば完成する簡単な技ではなく、判断、移動、連携を短時間で行う必要があります。
黒尾が月島へ細かくブロックを教えるのも、ただ高く跳ぶだけではリードブロックが完成しないからです。
コミットブロックとは?
コミットブロックは、特定のスパイカーへ照準を合わせ、トスがどこへ上がるか確認する前から跳ぶブロックです。
代表的なのは、相手ミドルブロッカーの速攻を止めたい場面です。ブロッカーは速攻の選手へつき、助走やジャンプに合わせて一緒に跳びます。
トスが本当にその選手へ上がれば、リードブロックより早く、よい位置で待ち構えられます。一方で別の選手へ上がると、すでに跳んでいるため追いかけられません。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 速攻へ間に合いやすい | 別の攻撃へ移れない |
| 狙った選手に高い壁を作れる | おとりに使われる可能性がある |
| 相手の得意攻撃を封じやすい | サイドが1枚ブロックになりやすい |
コミットは単なる当てずっぽうではありません。相手のローテーション、セッターの癖、レシーブの返球位置などを見て、「この場面は速攻の確率が高い」と判断して使うことがあります。
ゲスブロックとは?
ゲスブロックは、相手セッターがどこへ上げるかを予測し、その選択へ先回りして跳ぶブロックです。
「ゲス」は性格が悪いという意味ではなく、英語の「guess(推測する)」から来ています。
白鳥沢の天童覚がわかりやすい例です。セッターの視線、スパイカーの助走、試合の流れ、相手の性格まで材料にして、「ここへ来る」と感じた場所へ先に動きます。
読みが当たったときは、スパイカーの正面へ早く入り、ボールを相手コートへ叩き落とせます。天童が“GUESS・MONSTER”と呼ばれるのは、この予測の精度とブロック決定力が高いからです。
ただし予測を外すと、誰もいない場所で跳ぶことになります。後ろの守備にはブロックなしで強打が飛んでくるため、チーム全体にとっては大きなリスクです。
コミットブロックとゲスブロックの違い
コミットは「この選手を止める」という戦術的な選択、ゲスは「ここへ上がる」と攻撃先を予測する判断です。
動きだけを見ると、どちらもトスを確認する前に跳ぶため似ています。実際の試合でも、きれいに線引きできない場面があります。
| 比較 | コミットブロック | ゲスブロック |
|---|---|---|
| 基準 | 特定のスパイカーを担当する | 攻撃先を推測する |
| 目的 | 速攻や得意攻撃を確実に警戒する | 先回りして完全に止める |
| 判断 | チーム戦術として選ぶことが多い | 個人の観察や直感が強く出やすい |
| 外した場合 | 担当外の攻撃へ追えない | ブロックが大きく空く |
「コミット=何も考えず山を張る」ではありません。トップレベルでは、データや状況から根拠を持ってコミットする場面が多いです。
リード・コミット・ゲスブロックの違い
3種類の違いは、トスが上がるまで待つか、特定選手へつくか、攻撃先を予測するかです。
| 種類 | 動き始めるタイミング | 向いている場面 | 主なリスク |
|---|---|---|---|
| リード | トスを確認してから | 攻撃の選択肢が多い場面 | 速攻に遅れやすい |
| コミット | 狙った選手の助走・ジャンプに合わせる | 速攻や特定選手を警戒する場面 | 別の選手へ上がると追えない |
| ゲス | 攻撃先を予測して先に動く | 相手の癖や選択を読めた場面 | 予測を外すと壁がなくなる |
どれか一つが常に正解というわけではありません。基本はリードで対応しつつ、速攻を止めたいときはコミット、読み切れる場面では予測を生かす、と状況によって使い分けます。
月島蛍のリードブロックは何がすごい?
月島のすごさは、一発で止めることだけを狙わず、相手の攻撃を観察しながらブロックと守備を組み立てるところです。
白鳥沢戦では、牛島のスパイクを毎回真正面から止められるわけではありません。それでも手に当てて勢いを弱めるワンタッチや、打てるコースを狭めるブロックを重ねます。
その結果、後ろにいる西谷たちが拾いやすくなり、牛島や白鳥沢の攻撃にも少しずつ焦りが生まれます。月島はその変化を待ち、一瞬の機会を逃さず牛島を止めました。
これは月島一人の高いジャンプだけで決まった得点ではありません。サーブで白鳥沢の攻撃を限定し、ブロックでコースを絞り、後衛が拾う流れを積み重ねた結果です。
アニメ第3期の月島が格好いいのは、感情を爆発させた瞬間だけではなく、そこへ至るまでずっと相手を見続けていたからなんですよね。
天童覚のゲスブロックは何が違う?
天童はトスを待って全員で壁を作るより、自分の読みで攻撃先へ先回りし、ボールを直接叩き落とすタイプです。
月島が相手の選択を確認して追うのに対し、天童は選択される前に答えを予測します。読みが当たればスパイカーの目の前に完成したブロックが現れるため、攻撃側にはかなり嫌な存在です。
一方で、天童の方法は誰でもまねできるものではありません。相手の小さな癖を見抜く観察力と、外したときのリスクを受け入れる判断が必要です。
白鳥沢は牛島という圧倒的な得点源を持つため、天童が多少リスクを取っても攻撃で取り返せます。ゲスブロックは天童個人の才能だけでなく、白鳥沢のチーム構成にも合った戦い方です。
黒尾鉄朗が月島へ教えたこと
黒尾は月島へ、ブロックは一人で点を取る技ではなく、後ろの守備と連携する最初の守備だと教えます。
ブロックでスパイクを完全に止められなくても、手に当てて球威を落とせば、後衛が拾えます。打つコースを一つふさぐだけでも、レシーバーは残ったコースへ先に構えられます。
月島は東京合宿で黒尾たちと練習し、手の出し方、横移動、相手の見方を覚えていきます。その積み重ねが白鳥沢戦の牛島へのブロックにつながっています。
トータルディフェンスとは?
トータルディフェンスとは、ブロックと後衛のレシーブ位置を連携させて守る考え方です。
たとえばブロックがストレート方向をふさぎ、後衛がクロス方向で待つ。スパイカーに自由に打たせず、打てる場所へレシーバーを置いておきます。
『ハイキュー!!』の白鳥沢戦で烏野が牛島に対抗した方法もこれです。牛島を一度で完全に止めるのではなく、ブロックでコースを限定して西谷たちが拾います。
リードブロックは、トータルディフェンスを作りやすい方法です。実際のトスへ複数のブロッカーが集まり、後ろの選手と決めたコースをふさげるからです。
西谷などリベロの守備については、ハイキューのリベロの役割と交代ルールで詳しく解説しています。
キルブロック・ワンタッチとの違い
リード・コミット・ゲスは「どう判断して跳ぶか」、キルブロックやワンタッチは「ブロックした結果」を表します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| キルブロック | ブロックしたボールを相手コートへ直接落として得点する |
| ワンタッチ | ブロッカーの手にボールが触れ、後衛へつながる |
| ソフトブロック | ボールの勢いを弱め、味方が拾いやすくする |
| ブロックアウト | スパイクがブロックへ当たり、コート外へ出る |
天童はゲスブロックからキルブロックを狙う場面が多く、月島はリードブロックでワンタッチを取りながら守備を整えます。
ブロックで相手コートへ叩き落としたときに使われる「ドシャット」については、ハイキューのナイッサー・ナイスキー・ドシャットの意味で紹介しています。
ハイキューのブロックについてよくある質問
リードブロックは相手の動きを予測するブロック?
基本は、セッターが実際に上げたトスを確認してから追うブロックです。試合状況や選手の癖も見ますが、予測だけで先に跳ぶゲスブロックとは異なります。
リードブロックが一番強い?
どんな攻撃にも対応しやすいため基本になりますが、速い攻撃には遅れることがあります。相手や場面に応じてコミットブロックも使います。
コミットブロックはおとりに弱い?
狙った速攻の選手へトスが上がらなかった場合は、別の攻撃へ追えません。そのため、日向のようなおとりへコミットすると、レフトやライトがブロック1枚になりやすいです。
ゲスブロックの「ゲス」は悪口?
悪口ではありません。英語の「guess(推測)」を表し、攻撃先を予測して先回りするブロックです。
月島は牛島を何度もシャットアウトした?
完全に止めた本数だけが月島の貢献ではありません。ワンタッチを取り、打てるコースを狭め、後衛が拾える形を積み重ねたことが重要です。
天童はいつも勘だけで跳んでいる?
単なる勘ではありません。セッターやスパイカーの動き、試合の流れなどを観察したうえで予測しています。直感を生かすタイプですが、読みには材料があります。
ブロックは前衛しかできない?
はい。後衛の選手はブロックを完成させたり、完成したブロックへ参加したりできません。ローテーションの前衛・後衛については、ハイキューのローテーションと前衛・後衛で解説しています。
まとめ:トスを見て追うのがリードブロック
- リードブロックは実際に上がったトスを確認してから追う
- 攻撃の選択肢が多い場面でも対応しやすい
- コミットブロックは特定のスパイカーへ最初からつく
- ゲスブロックは攻撃先を予測して先回りする
- 月島と黒尾はリード型、天童はゲス型として描かれる
- ワンタッチで後衛へつなぐこともブロックの大切な役割
- ブロックとレシーブを連携させる守備がトータルディフェンス
ブロックというと、相手のスパイクを一発で叩き落とす場面に目が行きます。でも月島のプレーを追うと、触る、コースを限定する、焦りを積み重ねるという地味な一本にも意味があるとわかります。
次に白鳥沢戦を見るときは、月島が跳んだ回数だけでなく、どこをふさぎ、西谷たちがどこで待っているかにも注目してみてください。試合の見え方がかなり変わります。